中モズローンテニスクラブの概要

中モズローンテニスクラブ概要について

平井町の時代

平井町テニスコート竣工式

それは平成6年(94'年)の春でした。当時の大家だった藤原さん(今の大家である藤原さんとは別人です)の娘さんから呼び出しを受けました。

話の内容は項でありました。

テニスコートとして貸して頂いている土地の契約が、15年目になる来年度は更新できないとの事です。

丁度、小生が理事長職に任命されて1年が経った頃でした。

既存のテニスコートの確保に大変な苦労をしてきた過去を承知していたので、この話を受け新しいテニスコートの候補地をどうして見つけたらよいか、然るべき土地を持つ人もコネも無いなかで、全く見当が立たず伝統有る中モズローンテニスクラブを、自分の理事長職の時に潰してしまうのかと日々悶々と過ごしました。

週末になると決まって、家内と一緒に暗雲が垂れ込める中、あらゆる空き地を探して回りました。

ある時、自宅の近所で貸しガレージを手広く経営している方が、相当多くの土地を持っていることを知りました。

早速交渉して見ましたが、ガレージを増やすので、テニスコートなどには貸せないと云う情無い返事の繰り返しでした。ここで引き下がっては、次なる当ても何も無いので、ここはしつこく折衝にあたりました。

その会があってか、話の中で『この土地は絶対に貸せないが、最近農協で、休耕田等の活用を図っているのを聞いた』と教えてくれました。

まずテニスコートの近くにある堺市農協に話を聴きにいきましたが、うちの農協では行なっていないが、和泉市の農協でそれを行なっている場所があると教えて頂きました。

調査を進めると和泉市の南池田農協が再開発事業をしていることを突き止めました。その時に知り合った井坂さんは再開発事業を担当していた課長でした。

井坂さんは実に親切で休みの度にあちこちの土地を紹介して頂きました。

ですがどれも3~4面のコートを造り、管理維持するのにお金が掛かり過ぎたり、水がなく不便だったりして、一時は途方に暮れました。ところがある時、井坂さんから連絡があり、長靴と手袋を持ってくる様に言われました。

そして、見慣れぬ土地を案内してくれました。着いて驚いたのは、入り口が元ミカン畑の荒れ地で、どうしょうもない様な場所でしたが、その下の方(今のコートの有る当たり)は湿地帯では有るも、まっ平に見えたのです。

そこで、早速地主と交渉に入りましたが、なかなか承諾を頂けませんでした。ある時に、『クラブ名簿』を持参して地主の藤原さん宅にお邪魔した時の話です。

藤原さんに『クラブ名簿』を見せると、藤原さんの目の色がサーつと変わりました。

そして、この名簿の名誉会員である、曽我部と云う人は昔大阪府立大学の先生ではありませんでしたか?と質問を受けました。

勿論、YESと答えると、実は自分はこの人の教え子であるとの事。その時まだ曽我部さんは御健在でしたので、早速、曽我部さんから地主の藤原さんに電話を入れて貰いました。

それからなんと2週間も経たない内に、井坂さんから連絡があり、例の土地を見に行く様にとの事。

おっとり刀で駆けつけて見ると、雑木林で有った所が綺麗に伐採されており、ほぼ平らな地面が現れていました。

もう後はトントン拍子で藤原さんと順調に契約交渉ができました。

契約の骨子としては、契約の年数を20年間とし、コートは地主が作り、中モズローンテニスクラブは地主が作ったコートを借りると云う形に致しました。但し、何処で作らせたら良いか判らないでしょうから、施工者は中モズローンテニスクラブが紹介し、しかも工事費がかなり掛かるので、約半分の費用を保証金の形で、地主に提供しました。

出来上がったコートの管理は中モズローンテニスクラブが責任を持つと云う事にしました。(ここで皆さんに一言:借り賃は藤原さんの御意向で超割安に成っております。)

斯くの次第で、目出度く95年3月末に新コートが完成して、4月の初旬には移転を果たせました。但し、工事の途中で、槇尾川の管理者である大阪府から、川筋からコートをもっと離す様にとの注文が出て、当初予定していたコートのスペースを狭められて、暫くは皆さんに狭い目に遭わせました。

クレーコートの時代)

完成から2年が経った時に、地元の和泉市がコートの西側斜面で、下水工事を始めたのでそのタイミングを計り、コートの拡張に半分成功しました。

その際、少しでも合法的に広げれる様にと、コートの東と西の隅の角地を地主の石川さんから借り受けました。

その5年後の'02年5月に、A、Bコートのオムニ化と共に、方角の変更と拡張に着手。更に05年には地主さんから、20年の借地契約がご子息の代に変わっても、コートを貸して頂ける事になり、C、Dコートもオムニ化と拡張をしました。そして現在のコートの姿と成った訳です。

これらのコートの改良に際しても、会員の皆様は勿論の事、地主の藤原さんの絶大なご理解とご協力が有ったので成し得た事を申し添えておきます。尚、04年度からコートの環境整備や机・椅子等の備品の整備を、会員の篤志により進めております。

さて、平成17年('05年)には正会員の平均年齢が60歳に到達しました。

このままでは、会員の年齢が毎年1歳ずつ増えて行く現実に危機感を抱き、色々と検討した結果、クラブ会員の若帰り策として、既に行われている日曜と平日のテニススクールに加え、ヤング会員制度(35歳以下を優遇)を設ける事にしました。

ヤング会員の増加がクラブの盛衰の鍵を握っていると言っても過言では有りません。中モズローンテニスクラブの末永い存続と発展の為に、会員の方々に協力して頂ける事を節に願って取り敢えず筆を休めます。

著者 古井 浩平
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